発達障害の子たちの支援方法は支援施設を利用しないとできない訳ではありません。
ここでは大まかな特徴と共に自分でも家庭でも実践できる支援方法を紹介します。
①相手からメッセージを受け、理解することができない。
例えば「手を洗って、おやつを食べたら宿題をしてね。」とお願いをしたとします。
この1文には「手を洗う」、「おやつを食べる」、「宿題をする」という3つの指示が入っています。
言葉の理解が困難であるため行動ができず、情報量が多いと処理しきれません。
この場合は…
☆本人が一番理解できるもので伝える。
話すだけではなく、絵や写真を用いて見せることで理解することができます。
☆1つ1つ指示をする。
今日やること、これから行うスケジュールをホワイトボードに書き出すといった視覚化してみましょう。
そうすることで今自分が行うべきことは何か、次にやることは何かを示すことでしっかりと理解してもらいます。
【スケジュールの視覚化の例】
②相手に自分の気持ちを伝えることができない。
相手にとって分かりにくいメッセージを発信したり、
パニックといった行動を起こしたりすることで自分の気持ちを伝えようとします。
この場合は…
☆絵カードを使って自分の気持ちを伝えてもらう。
支援施設ではPECS(ペックス)という絵の変換コミュニケーションボードがあります。
手伝って欲しい時や何か物が欲しい時には絵カードを渡し、自分の気持ちを伝えさせます。
その絵カードを用いて要求を音読することで言語学習にもつながるのです。
どんな時にどんな言葉で伝えればいいのかを同時に学ぶこともできます。
その子がたくさん使う物で絵カードを作ることで家庭でも実践することができます。
【PECS】
手伝って欲しいと要求する時は
ドーナツが2個欲しい時は
このように自分の欲しいものやしたいことが要求しやすい絵カードを使用しましょう。
行動や好きなお菓子、また個数もカードも用意してあげると伝えたいことがより詳しくなります。
③落ち着きがない。様々な刺激に反応し行動してしまう。
例えば、「花を見ていたかと思いきや、車を見るために道路に走り出す。」
この場合は…
☆刺激を減らした場所を作る。
遊ぶ部屋、勉強する部屋といった目的に応じて場所を作ることで
本人を突き動かしてしまう衝動を減らしましょう。
1つの空間でご飯を食べる、勉強をするといった複数の目的で
使用することを苦手とする発達障害の子もいます。
境界を作り場所を区切り、その場所で使う物を整理して置くことで
そのスペースの目的を理解してもらい、1つの物事に集中できるようにします。
【スペースの例】
左奥が趣味のスペース、左手前がおやつを食べるスペース、右側が学習スペースとなっています。
☆①で示したようにスケジュールを視覚化する。
今注目するべき活動をはっきりと伝え理解してもらいましょう。
④相手の気持ちを上手く想像できない。
空気が読めないため、相手の気持ちを理解し関係を作ることを苦手としている子もいます。
自分がどのような状況にいるのか判断できないため、
時には相手を傷つけるような発言をしてしまうこともあるでしょう。
この場合は…
☆まずは本人を落ち着かせることを考えましょう。
カームダウンスペースという外部からの刺激をできるだけ減らした一人だけの空間を作ってあげましょう。
ちょっと疲れている時や休憩したい時などにも使えます。
【カームダウンスペース】
☆状況を理解させるためにソーシャルストーリーで学習する。
目に見えないルールや対人関係を絵と文章にすることで視覚的に情報を伝えることができます。
ソーシャルスキルを繰り返し学ぶこともできます。
【ソーシャルストーリーの例:お友達と一緒に遊びたい時】
これらの写真はいわき市で障害児支援をおこなっております、
ゆいまーる・ふたばの方々に御協力していただきました。
御協力ありがとうございました!